高校
高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第6回>
11月11日(金)、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で、明治学院大学法学部グローバル法学科教授の阿部満先生が対面で「教養原論」の講義をしてくださいました。
「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、「法学の世界での『人』『他者』」と題して講義が行われました。生徒たちは、「法」とは何か、ルールがあるとはどういうことかを考えました。実際の判例についても考えることで、これから生きていく中で法がどう影響するのかを考えるきっかけになったようです。
生徒の意見・感想を紹介します。
- 「法」って何?ということについて、全く考えたことがなかったのでハッとさせられました。また、人はいつから法律上、人として扱われるのかということも考えたことがありませんでした。これから社会に出ていき社会を担う私が、社会の基本ルールとそれがある理由を全然知らないことに気がつかされ、危機感を持ったと同時に、今後しっかりと学んでいきたいと思いました。
- 法の概念はまず人間とはどこからどこまでが人間なのかを定義する必要があると感じた。そのため、権利能力の概念は大切であると感じた一方で、権利能力の基準が少し曖昧な部分もあるので気をつけるべきだと思う。法はあらゆることを想定して作られているため、複雑である。そのため、私達はしっかりと法について知らなければならないと改めて感じた。自分と他者の関係性はこれからも気をつけなければならないし、知らなかったではすまされないことなので、これを機に注意深く学びたい。
- 法の隙間を埋めるようにさらに他の法が存在しているのだと知った。それがこの社会の秩序を取りまとめているのだと感心した。
- はじめに法とは何かを考えてみたとき、頭には考えが浮かんでいたけれど、うまく説明できなかったので、知っていると思い込んでいたことに気付きました。社会のルールに、道徳や倫理、宗教上の戒律が含まれているという事は初めて知りました。
- 人間の権利能力がどこから始まるのかという点に関して深く考えさせられた。出生前の事例が挙げられていたが考えたことが無かったので、とても新鮮な視点を与えられた。その判決内容は大変難しく、理解するのは私にとって困難ではあったが、いくつもの可能性、事象を踏まえて紡ぎ出された判決であるということは理解できた。この先社会に出るにあたって、より法律と接する機会が大きくなり、その知識が必要になることを見越して、将来を生き抜く糧として少しずつ知識を得ていけたらと感じた。
- 私たちが安心安全に生活できているのは法律があるからなのだと改めて理解することができた。国際法には強制力がないということには驚いたが、よく考えれば今までに破ってきた国もあったことを思い出した。国同士の裁判が両方の同意がないと行えないのも強制力がないせいなのだと思った。故意にやったことの損害を賠償するのは当たり前だが、過失でも賠償責任が生じるから、危険なことや相手に迷惑がかかるようなことはしないようにしようと思う。
- 「人」はいつから「人」になるのかという問題や、それぞれの事例に合わせて法律が適用されるのかなど、色々な問いに合わせた答えを考えることが面白く感じました。
- 色々な規範について知ることができたのでよかったです。「人」には権利能力があるけれど、動物には権利がないことに驚きました。私たちが今こうして学校に来るために在学契約が結ばれていたのを知って、社会に出たら契約がいっぱいあって大変だと感じました。また、今は18歳成人で私も契約することが可能になっているので、詐欺などにかからないように自分でよく考え、よく読んで契約しようと思います。
- 日常生活の中で今私は民法の規定を守って生きている、と感じることはありませんが、実際に生きていくためにはたくさんの法律が必要なのだと知りました。お金の問題や権利に関する訴訟など、数々の判例をもとにお話下さったので想像しやすかったです。民法ひとつとっても数えきれないほどの規定があるため、それらを自分の頭で理解できるよう、法律の面白さを心に留めていきたいです。
- 法は自分たちの生活に深く関わっているもので、自分が知らないルールだらけではあるけど、それでも気持ちよく生活するために法律があるということが今回わかった。こんなにたくさんの法律がある中で、取捨選択しながら法廷で仕事をする弁護士や、客観的な視点で判決しなければならない裁判官の仕事は批判も伴うと思うので、とても難しい仕事だと感じました。
- 「他者」への配慮を定められた法に基づいて考えてみると、普段何気なく自分が相手に気遣っていたり、相手に配慮されていたりしている場合に、法が関わっていると理解できました。
- 「法律」が、人の権利を保護し、自由に安心して暮らせることをサポートしていると感じました。また、人が他人に対してどこまでの範囲の責任を負うのかについて、深く知ることが出来ました。「法律」の複雑さも実感しました。
- 人間が道徳的にしてはいけないことを罰するために法律があることは知っていましたが、身近なルールがある意味について考えたことはありませんでした。しかし、法律は罰するものだけでなく防ぐためのものもあることを知りました。法律は堅苦しくて難しいイメージを持っていましたが、身近な場面で法律が関与していることを様々な事例を通して学ぶことができてよかったです。
- 法というものは確かに難しいけれど私たちにとってとても身近で知っておかなければならないことが沢山あると思いました。「一人のヒトはいつから『人』になり、『人』でなくなるのか。」という問いはとても興味深いと感じました。
- 法律の難しさと知識の大切さを学びました。私たちは生まれた瞬間から「人」として存在し、胎児の期間から損害賠償の請求や相続が認められていることから、判決が変わることや裁判が複雑化することを知りました。また、学校と在学契約をしているなど、私たちの日常生活も様々な法や規則と深く関わり合っていることを学び、法の知識は一種の教養であるのだと感じました。それらの知識があることで、時には自分や周りの人の身を守ることや適切な解決策を導き出す際に大きく役立つのだと感じました。法の基本的な点について学ぶことができ、大学での学びがより一層楽しみになりました。