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高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第4回>

10月15日(金)5・6時間目、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で明治学院大学経済学部経済学科の齋藤弘樹先生が「教養原論」のオンライン講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、経済学における「他者」についての講義が行われました。生徒たちはまず、経済学の概要を学びました。それから、今回のテーマである「ゲーム理論」を学び、具体的な題材についてそれぞれが考えました。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • 経済学から捉えた「他者」は今まで考えたことのないような在り方の他者だったため、とても新鮮だった。経済学における他者との駆け引きに対立と協調があることを知った。特に「囚人のジレンマ」の題材は興味深く、相手と協調することで得をするはずのところで、自己の利益を優先してしまうが故に自ら損を選んでしまうことに、人間の本質が垣間見えた。また、そのように駆け引きを提示する側が囚人側に協調をさせないような構造が悪いという視点は、私にとって新しかった。
  • 経済学は金融や株などのイメージがあったけど、授業を聞いて少しイメージが変わった。ゲーム理論は、頭を使うけどすごく面白くて、かつ経済だけでなく心理や数学の要素も入っていて、興味を持った。また、経営や経済だけに限らず、日常生活においても全体にとって望ましい状態を実現することは困難だということを改めて感じた。協調すればお互い得をするのに、自己の利益を追求して協調できないないという場面は、経験したことがあると思った。
  • 囚人のジレンマについては以前読んだ本に出てきて知っていた。客観的に見たらどちらも黙秘する方がお互いに良いはずなのに、自己利益の追求のために損をしてしまうこのジレンマはとてももったいない。たしかに、相手には大きな得があって自分には損しかないというのを受け入れるのは無理なので、同じことをするとは思う。しかし、お互いに良い方を選ぶという全面的な信頼が持てない人間は、面倒くさい生き物だ。予防線を張りまくっているから、人間関係は難しいのかなと思った。
  • 自分の利益だけを見るのではなく、お互いが得をするような選択をとりたいと思いました。自分の利益だけを見てばかりいると、相手にとって都合が悪くなったり、結局自分が損をしたりしてしまうことがよく分かりました。相手の気持ちも考えながら生活していきたいです。自分のことばかり考えてしまいがちだけれど、全ての人にとって何が良い選択なのか考えれば、きっと苦しむ人が減ると思うし、多くの人が笑顔の溢れる人生を送ることが出来ると考えました。
  • 今まで「なぜこんなすぐそばにコンビニがあるのにもう一つ作るのか」と疑問に思っていたけど、近くに新たな店舗を作る理由がわかった。囚人や兄弟の話など、とても興味深い内容だった。
  • 自分で頭をひねって考える授業はとても好きなので、面白かった。自分の行動と他者の行動は互いに影響しあっているというのは確かにそうだなと感じた。また、囚人のジレンマについては初めて聞き、社会にも同じような構造が存在していることを知った。私達は知らないうちに、対立・協調関係を分析するための道具としてゲーム理論を行っていて、人間はそれぞれに様々な考えがあり、それらはこのような経済学に繋がっている。もっと深く知りたい。
  • 軍拡や環境など国際的な問題について、多くの人が問題意識を持っているにも関わらずなかなか解決に向かわないのは、囚人のジレンマと同じ状況になっているからだと知り、社会を改善することの難しさを感じました。駆け引きの中で人は自分の利益ばかりを優先してしまいますが、解決策を考えて実行していく必要があると思いました。
  • ゲーム理論は対立関係を扱い、「囚人のジレンマ」や「立地ゲーム」の例は私たちの生活に溢れていることに気づき、面白く、経済学も身近に感じた。制度の導入によって社会の状況を変えようとしても、なぜ「囚人のジレンマ」状態がよくないのかに気づけず、根本的な解決にはならないのではないか。そのため、「囚人のジレンマ」が繰り返されることで自発的に協調するという解決策の方がよいと考える。
  • PKや路上での駆け引きなど、日常生活でも経済学の考え方ができて、興味深かった。もともと、ゲーム理論についての本を読んだことがあったのだが、やはり独学だとなかなか理解できなかった。今回、わかりやすい説明でゲーム理論について知ることができ、より深く学んでみたいと感じた。
  • 今は利益を考えることはあまり無いが、これから社会に出ていく中で、全体の利益と自分の利益の両立をしっかりと行わなければならないのだと思った。
  • 一見、経済学とはかけ離れているように感じた「ゲーム理論」が、社会全体に応用できる考え方だということを知った。経済活動や経営戦略において、利益獲得に目がくらむことはよくあることだが、その先には囚人のジレンマがあるということを理解した。他者を考えた先に自分の利益が存在すると思った。
  • 題材について考えることを通して改めて、経済学ではある問題に対して論理的思考が求められると思った。これは普段私たちが生活している中で、ニュースや新聞で記事を読んでいる時、自分なりの考えを持つようになるきっかけにもなるため、大切だと考えた。
  • 囚人のジレンマの話は創作だが、現実社会において囚人のジレンマ的な出来事は多く存在するという話に納得した。確かに、お互いに協力し合えばいい方向に進むはずであるのに自己の利益だけを考えて行動することで、結果的に自分も損をしてしまう結果になることはよくあると感じた。情けは人の為ならずでは無いが、相手の存在も自分を形成する大切な要素のひとつであることを忘れず、互いに得をするような選択が出来たらいいと思う。しかし、分かっていても自分のことしか見えなくなってしまうのが人間だと感じた。
  • 経済学科でも心理学や社会学の考えを導入しているのが大学の学問らしいと感じた。ほかの学問とミックスして研究することが出来るという発見ができた。
  • 一つの考え方に囚われるのではなく、様々な人の意見を聞いて多角的な視点から考える事の大切さを改めて感じました。生活している中にも囚人のジレンマの様な状況が起きる事があります。その時に自己の利益だけで行動をするのではなく、お互いが相手の立場に立って両者により有利となる選択ができるように心がけていきたいと思います。