高校
明学大の先生による高3生への講義「教養原論」を行いました<第10回>
11月29日(金)、推薦進学コースの高校3年生に対して、明治学院大学法学部消費情報環境法学科の福島成洋先生が「教養原論」の講義をしてくださいました。
法律学・政治学からみた「他者」の観点から、「ステルス・マーケティングについて」をテーマに、講義が行われました。
生徒の意見・感想を紹介します。
- 普段の生活でネットやSNSで気づかず多くの広告などを目にしていたことに気付かされた。深く考えずに、お客さんが書いたもの、口コミだと思っており、広告だと思わないで勝手に騙されていた。ステルス・マーケティング(ステマ)が日本は法律で禁止されるのが遅く、アメリカやヨーロッパではもうすでに規制されていることを聞き、日本が遅れていることに驚いた。法律は少し遠い存在のように思っていたが、私たちの生活に深く関わっていて他人事ではないのだと実感した。
- よくSNSを利用するので、危ない広告には気をつけたいと改めて実感できました。また、見ている広告の中にもステマがあるのかもと知り、よく考えてからお金を使いたいと思いました。また、インフルエンサーは行政処分にならないのだと初めて知り、驚きました。評価をつけて割引をしてもらうなら良い評価をつけたいと思う消費者の気持ちは、似た経験があるので理解できました。
- 法律は道具であるという考えはなかった。目標を達成するために消費者法は必要であり、法律は目標を達成するための道具であるとわかり興味深かった。SNSで「PR」と端に書いてある投稿をよく見かける。広告であるとわかっていると身構えてしまい、買わないことも多い。広告ではない方が、投稿者が本当に良いと感じていると思えるため、購買意欲が出る。デジタル化でSNSが発達する今の時代に、情報発信により左右されてしまうので、ステマなど嘘の発信を法律で取り締まることが今後もっと必要になってくると思った。
- デジタル化に伴ってステマ規制が進んでいったと聞き、デジタル化など、世の中が変化していく中で、法律もどんどん変わっていかなければいけないものだと改めて気づきました。
- 現在、ステマは特にSNS内で溢れている。口コミを見ようと思った時、なるべく消費者のリアルな声を聞きたいと考えるので、SNSを使って口コミ投稿を調べる。振り返って考えると、今までステマに引っかかって商品を買ったことは何度もあるだろう。消費者側が投稿しているものなら信用できる、という刷り込まれた感覚に怖さを感じた。しかしそれだけ身近なことだからこそ面白かった。ステマかどうかの判断は難しい。授業では2つ事例を取り上げて考えたが、微妙な差で、曖昧な基準でステマに該当するか否かの判断がされてしまうのは怖いことだと思った。
- SNSを見ていて怪しい広告は多いけれど、以前と比べて広告やPRと表示されることが増えたとなんとなく感じていたので、景品表示法のおかげだと知った。どのユーチューバーも、PRのときはPRと強調するし、ただ個人的に紹介したいだけのときはステマではないとしっかり否定することを徹底しているように思う。私は、SNSでコンビニやコーヒーチェーン店などの広告をよくチェックし、友人ともよく話すので、若い世代におけるSNSでの広告の影響力はとても大きいと考えた。SNS上では、顔や個人情報を出さないで発信をしている人も多く、責任を持たせて、ステマを減らすために、景品表示法は、インフルエンサーも処分の対象とするべきと考える。
- 特に事業者が第三者に依頼して、第三者が口コミを書く場合、考え方や少しの条件の違いによってステマかどうかの判断基準が変わってくるのが難しいと思った。今までは事業者と消費者が一方通行だったためわかりやすかった。消費者から消費者へ物を売ることができるようになったため、境目が見分けづらくなっておりさらに難しくなっている。このステマの判断基準を筆頭に、変わっていく世の中で消費者が安全に安心して生活するために、どのような法律を作るのかが消費者法の課題であることがわかった。
- SNSでPRと表記がなかったらステマとは分からないなと思った。私は商品を買う時に口コミをよく見てから買うから、そこにステマが混ざっていると思うと怖い。
- 消費者は企業の公式な広告よりも、身近な消費者による口コミの方が、親近感を持ちつい買ってしまう。自分と同じ目線を持っている消費者が実際に使った感想の方が、公式の広告よりも信用できると簡単に思ってしまう。ステマはその消費者の心理を利用したうまいマーケティングだと思うが、商品の評判を良くするばかりで改良を疎かにしたり、実際より大袈裟に言ったりすることはあってはならない。法律は全てを白黒はっきりと決めることができるわけではないと改めて知った。私自身も悪意のあるステマなどに惑わされないでしっかりと自分自身で見極められるように、知識をこれからも深めたい。
- お店で食後に、アンケートに答えて頂けたら食事が無料になる抽選が行えます、と言われて答えましたが、一緒にいる人全員が抽選に外れました。アンケートに書くことが特にないのでおいしかったと答えましたがこれも、考え方によってはステルス・マーケティングになると知りました。
- はじめは、別にステルス・マーケティングを法律で規制しなくても良いのではないかと思った。理由は、自分が事業者なら少しの損をしてでもいろんな人に良い商品だよと広めてもらう方が効率も良いし、多くの人に試してもらうことができるからあまり迷惑にはならないと思ってしまったからだ。しかし経営で一番大切なことは消費者を思いやること。消費者法は消費者を事業者から守るために作られている。騙されやすい人だっているので、規制は必要なことでもあると考えた。
- 事業者と消費者の間のやむを得ない事情や、事業者と消費者を仲介する存在が出てきたことによる消費者の混乱という現状がよく分かった。アプリでお店を予約することがあり、レビューを書いて値下げなどのサービスを受けた経験があるが、グレーゾーンかもしれない。今後、消費者法が議論を重ねてどのように改正されるかに注目したい。
- 今は事業者が一方的に情報や広告を消費者に対して流すのではなく、消費者自身もSNSなどで情報を拡散してしまうので、消費者と事業者の境界線が曖昧になっていることを改めて知ることができました。ステルス・マーケティングが生活の中に潜んでおり、好きで信用できそうだからとインフルエンサーの意見を受け入れてしまいがちですが、ネット上以外は分からない人の意見なので、疑ってみて、いろいろな情報を比べていきたい。