高校
明学大の先生による高3生への講義「教養原論」を行いました<第7回>
11月8日(金)、推薦進学コースの高校3年生に対して、明治学院大学経済学部経済学科の岡本実哲先生が「教養原論」の講義をしてくださいました。
経済学からみた「他者」の観点から、「経済学の最先端『マーケットデザイン』への招待」と題して講義が行われました。
生徒の意見・感想を紹介します。
- 気になって研究したこと、勉強したことがいつか何かの役にたつと思うと学びがいがあるなと思った。優れたモノを作ることに捉われるのではなく、どうしたら平等に資源配分できるか考えることが大切。
- 5人が寮の部屋を交換するときにどの組み合わせにすればよいかという質問に対して、みんなで色々なパターンを考えた。私が考えていたものと、友達が考えていたものでは全くと言っていいほど違っていた。何を1番大切にして考えるか、今までのよりも悪いことにしてしまわないかなど、とても考えさせられた。
- 今まで友人と物を共有する際に、うまく配分することができず揉めた経験がある。どうすれば誰もが満足する配分をすることができるのかをいつも頑張って考えていたが、何にでも使える法則があることを知り感動した。また、それを経済とは縁がないようにも思える医療と結びつけて社会に貢献していることを知った。一つの分野だけではなく他の分野でも使うことができるような柔らかい思考を持ちたい。
- 新しいことを発明しなくても、たくさんの人を救うことができるシステムを生み出せたのがすごいと思った。そして、自分たちが意味ないと思う勉強も、自分が思ってもないところに役立てられることがあるかもしれないから、何事にも全力でできる人になりたい。腎臓ドナーマッチングの話を聞いて、いろんな人が得できて幸せになれる制度をもっと増やしたいと思ったし、その制度にもいろんな配慮をしなければならないことも知ることができた。
- 「ものごとは組み合わせを変えるだけで上手くいくことが多い」、「効率性と平等性は一致しない」という言葉が心に残りました。岡本先生も仰っていた通り、日本はものづくりに特化していると思います。しかし、経済学の観点から見ると、今ある資源を大切にしてそれを「組み合わせる」ことによってより良い結果が生まれるということを初めて知り、真理をついているなと思いました。
- 優れた組み合わせをすることは難しく、いくつもの組み合わせがあって、嫌になるということがこれまでの考えで、避けてきた。今回学んだ「TTC Algorithm」は色々な場面で役に立ち、さまざまな要素を考慮しているのでとても優れていると思う。しかし、どうしても納得のいかない人が出てしまうことの心残りはある。全員が納得する結果を出すのは難しいと感じた。
- 経済学は効率性を重視する反面、平等性については担保してくれない。だからこそ効率的かつ平等という二つの観点から物事をみると学問は味わい深くなるのではないかと思った。グループで何かを決める時に一番不満が出ない選択肢を選べるように心がけているが、より少ない手数で一番効率的な選択をするための方法を学べてよかった。TTCアルゴリズムは席替えなどに使ったらどうなるのか面白そうだと思った。
- 今ある画期的なシステムは、基礎研究があったからこそ生まれたものが多いということを初めて知った。難しいことを知らないと発明ができないというわけではなくて、簡単なことで実験を重ねると新たな発見ができるということがわかった。自分の利益を皆が優先してしまうと争いが起こってしまう可能性があるから、アルゴリズムなどの考え方を日々の生活に役立てていきたいと思った。
- 経済学というのは社会の病気=貧困、格差、失業、不況を治す医者のようなものと知り、また柔軟な思考で組み合わせを大切にしていることがわかった。資源配分がうまくいっていない状態が世界には起こっていることがわかり、貧困層の多さなどを聞いて、世界の現状を改めて考えさせられた。不適合なペアの場合でも組み合わせをうまく考えて、皆が得するようなやり方をすることができるのが経済学の面白いところだと思った。
- 自分に正直な人が1番得をすると聞いてどんなことも正直にいうことが大切だと気づいた。他人のためを思っても裏目に出てしまう可能性があるためそこは少し残念だと感じた。
- 経済学で医学に関わる話までつながっていて、とても興味深かった。私は交換の話では全員がなるべく得をして欲しいと思い、第一希望や第二希望になるようにすればなんでもいいと思い個人合理性しか考えていなかったけれど、ブロックという経済学の用語を知って、よく考えればまだ不満に思っている人がいて、全員が前向きな考えは持てないことに気づいた。私も自分の小さな発見を大切にしたい。
- 無駄だと思った事も、今後見方や考え方を変えることで違った形で応用できることを学ぶことができた。答えや正解がない問題は、さまざまな角度から考え続けることが大切だと感じた。
- 経済学は人間社会を改善するための道具だということがわかりました。また、ものを交換するという具体例で、色々な組み合わせを考えることができて楽しかったです。優れたものも大切だが、ある材料でいかに上手い組み合わせを作るかが大事だとわかり、結果と努力と似ていると考えました。
- 物事は組み合わせを変えるだけでうまく行くことが多いということを学んだ。しかし、勿体ないものが無いように、効率の良いものであるように、交換に参加した人ができるだけ不満が出ないように配分しようとしても格差を生んでしまう場合がある。すぐに新たなものに手を出すのではなく、今ある資源を有効活用できるようになりたい。