高校
高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第7回>
11月13日(金)5・6時間目、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で明治学院大学経済学部国際経営学科教授の生方雅人先生が「教養原論」の講義をしてくださいました。
「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、「他者と向き合うコーポレート・ファイナンス」と題して講義が行われました。生徒たちはまず、「コーポレート・ファイナンス」や「価値」について学びました。生徒たちは将来、自分は何ができるのかを考えたようです。
生徒の意見・感想を紹介します。
- リアル・オプションが将来の不確実性が高いほど良いビジネスということに興味を持った。私は、ずっと安定している企業で倒産する可能性もほぼゼロという企業が一番利益を生んでいると考えていた。だが、今日の授業で、将来の不確実性が低いほど進展する可能性もなく、流行が終わるのを受け身で待つことしかできないと聞き納得した。将来を安定にするだけでは、利益が生まれる可能性もない。リスクを負うからこそ、プラスになる可能性が広がると知った。私たちは、将来が見えないからこそたくさんのオプションがあり、そのオプションを広げるために現在、勉強に取り組まなければいけないと感じた。
- 価値は全てが一定ではなく値段なども変わる。人それぞれ、ものに対する考えや扱い方、価値の有無の感じ方は異なる。だからもっと、ものの価値を考えたい。価値という言葉には深い意味があることを知り、ものに対する意識を変えなくてはならないと感じた。
- 他者にとって価値のあるものを提供することにより、他者はお金を払いたいと思うようになり、必然的に仕事の利益は増加するはずだ。まず、稼ぎたいという気持ちが先走るのではなく、他者にとって何が必要なのかを考えることが大事である。高校生の今は、周りを見て「友達は今、これを必要としているのだな」と日頃から考えることにより、他者にとっての価値を見出すことに繋げようと考えた。
- 他者と向き合うこと=他者(株主)が満足することを考慮しながらビジネスをして企業価値をあげること。それは当たり前のことだと思っていたが、達成するためにはかなりの予測力と計算が必要だとわかった。環境、社会、政府の現状を把握し、何が起こるかわからない中でハイリスク、ハイリターンなオプションを持つことで高い利益を得ることができるのであれば、初期費用と予算をしっかり準備した上でビジネスをするのが良いと思った。また、株主・従業員・関係者の全てが満足するようにお金を回して、さらにビジネスを成功させるというのは少し面倒くさいことのように感じてしまった。しかし、明治学院大学の教育理念である“Do for others”の精神を持ってビジネスをすることで、他者だけでなく自分にも幸せが訪れるのだ。他者とより良い人間関係を築くことは将来働く上で大切なことだろうし、幸福度も上がりやすいだろう。
- 物事を進めて行く上でどうしても選択をしなくてはならない時のため、選択肢を持つべきである。そして自分はそんな選択肢を持てるような知識のある大人に成りたいと思った。
- 他者からの目線、「今」の時間を大切にすることが大事だと感じた。他者からの目線を大切にするには自分の利益だけを追い求めるのではなく、時に自分が損益を被ってでも、他者からの印象や評価を得る判断をした選択をする。少なくとも、その選択肢を考えて生活するということだ。一時的には損失であっても、長い目で見たときに得をするという可能性も考えられる。新型コロナウイルスの影響があり、将来の不確実性が高まっている今、自分の技能を高め多くの選択肢(オプション)を持つことは、これまで以上に意味のあることになると思う。自分の興味のある分野はもちろん、苦手なことにも極力向かい合うようにすることで選択肢を増やし、価値を高めていきたい。
- 企業経営は直接的な利益も大切であるが、企業価値を最大化するためには他者も満足させることが大切で、それが最終的には企業の利益にも繋がるということを学んだ。将来仕事に就いたときには、他者を満足させることを優先し、企業に貢献できるようになりたい。また、選択肢を増やしておくことの大切さは、私たち高校生が進路を決める際にも共通していることなので、これからもたくさんの選択肢を持てるようにしたい。
- 今まで正直、企業のことについてあまり興味を持っていなかったが、価値についての話や企業価値の話を聴き、面白いと感じた。
- 「価値」ということばは色々な場面で使われる。講義を受ける前は「価値」という言葉を表面的にしか理解していなかったのだと気づかされた。先生が「価値があるものとは、自分のものにすることで以降メリットがあるものである」と述べたことが印象的で、あたり前かもしれないがとても重要なことだと感じた。また企業と投資家の関係やコーポレート・ファイナンスなどの新たな知識を得ることができた。
新型コロナウイルス拡大の影響で、世界の不確実性は明らかに高まった。そのような状況下でも企業が立ち止まらずに投資することは、単に利益を出して株価上昇させるだけでなく、企業価値を高めて株主を満足させる企業の社会的責任のようなものである。人材選出の透明性、設備投資など、その舵取り役には大きな責任がのしかかっていると知った。 - 企業価値を高くするには株主の資本コストに打ち勝ち、満足させなければならない。そのためには株主へのハイリターンだけでなく、ESG投資にも取り組む事も大切だ。私は、企業がCMでオリンピックのサポーターであることをなぜ宣伝するのか疑問に思っていたが、広告で支援事業を行っていることを株主にアピールしているのだと納得した。また、金融の世界は情報の非対称性によって他者が入り混じっているため、様々な業種が絡んで複雑だと分かった。そして、企業が多方面の選択肢を持つことでリアル・オプションの価値が高くなるように、私は多くの選択肢を持つことで自分の価値を高めるためにハイリスクなことにも挑戦したい。現実の自分たちにも当てはめる理論を知ることができて楽しかった。
- 企業というのは、「企業価値」を上げることを目的としている。そのためには単に利益を出すだけでなく、他者を考慮したものさしが必要だと知った。またこれまで、利益に関して投資家が重視され取引先などが考慮されない理由は、投資家がいなくなってしまうと企業が成り立たないため、企業の存続のために重視されているのだと考えていた。しかし、利益の受け取り順序が最後の投資家を満足させれば、投資家よりも優先して利益を受け取る取引先などの関係者も満足しているはず、という考えであることを初めて知った。
- 最近では付加価値経営も考えられていて、地球温暖化政策や労働者への配慮、情報開示が求められていると知りました。企業価値は他者との関わりなしでは成り立たないことを改めて感じました。将来のリスクがわからない今、選択肢を持つために学び、多様な技術を習得しようと思います。