高校
明学大の先生による高3生への講義「教養原論」を行いました<第13回>
12月20日(金)、推薦進学コースの高校3年生に対して、明治学院大学国際学部国際キャリア学科のKHARE Prajakta先生が「教養原論」の講義をしてくださいました。
国際学から見た「他者」の観点から、「ワクチン・ナショナリズム」をテーマに講義が行われました。
生徒の意見・感想を紹介します。
- 今までワクチン・ナショナリズムについて知らなかったけれど、なぜワクチンについての問題が起こるのか、代替案や今出ている対策について理解することができた。途上国の問題はお金がないことだというイメージが大きかったけれど、教育や啓発など多方面の問題があることに気付かされた。
- 世界的なパンデミックが起こったり、あるいは途上国が不利になったりした時には、先進国側が積極的に途上国をサポートしていくべきだと思う。自国優先でワクチンを配布させるのは政府としては正しいけれど、ある程度供給が済んだら供給されていない方へ積極的に回していくという意見が一番しっくり来た。COVAXのような国際的な枠組みが仲介役として先進国と途上国の間で必要とされるワクチンの量を調整していたのは、とても良いアイデアだ。この考え方は何か物的な困難が生じたときに大切で、応用できると思うので是非覚えておきたい。
- 近年、国際的に問題になっていた新型コロナウイルスに視点を向け、そこから既存のワクチンについての話題になり分かりやすかった。国の意見の決定権を自分が持っていると仮定して、自国のために動くのか世界のために動くのか、どのようにすれば国際的に問題を解決できるか考えることができた。英語を交えて授業が進んでいき、授業を理解できるか心配だったが、内容を理解するために必要なことを聞き取ることができるような工夫がされていて、みんなと国際的な問題についてディスカッションすることができてよかった。
- ワクチン開発がコストのかかるものであり、市場が小さい発展途上国では十分にカバーできず赤字となってしまう。そのため発展途上国ではワクチン接種率が低くなってしまう傾向がある。新型コロナワクチンも先進国が買って余ってから無料で発展途上国にあげるとなると、接種が遅れてしまい感染者が増えてしまう。発展途上国での問題は、医療が整っておらず接種するのに手間がかかること、電気などのインフラがないところも多いこと、ワクチンそのものを冷蔵できずに運べないことなどがある。自国の人を優先するのは国家として正しいことではあるけれども、グローバル化している今では他国の人のことも考えて助け合うことが大切である。
- 日本では幼い頃から病気の抗体を作るためのワクチンを必ず受けたり、インフルエンザなど身近な病気のためにワクチンを受けたりすることが当たり前だが、まだワクチンの必要性が知られていない地域があると知り驚いた。発展途上国の看護師の女性がワクチンを保冷バッグに入れて大変な道を行く写真を見て、多くのワクチンを運べないし、大きな問題だと思った。
- 発展途上国では、ワクチンの接種以前に、医療が進んでいないし、医療インフラも不足しているし、医療に関する教育も不十分だとわかった。医療は、人の命に関わることであり、国の発展にも影響することだ。まずは、日本も含め、先進国が医療支援を積極的に行なっていくべきだ。グローバルで、多様性を尊重し合える社会のために、自分ができることを考えたい。
- ワクチンはあって当たり前、が叶わない国があり、先進国は発展途上国へどのように対応していくべきなのかを考える良い機会となった。自分の国を優先したい気持ちはとても大切だが、多くの国で、世界の発展途上国の顔も知らない他者のために少しでも力になれるようにしていくべきだと思った。
- これまでに、貧しい国の衛生面や健康面の危険な状況を救急医療で良くした、という話を聞くことがありました。今回の講義を聞いて、他にもワクチンが届かないなどの問題があるのだと知ることができました。国ごとに最先端の技術力や資金の差が様々あり、そこを平等にしようとするのは難しいと感じました。
- 国によってワクチンが接種できる人が異なってしまうのもやはり世界が混乱した状況だったからだと思う。国別で考えるのではなく、世界の年齢層などを考えて未来がある子供たちに優先できれば、と考えるのは簡単だ。何か自分が少しでも変えるために、できることを探していきたい。
- 発展途上国と先進国の格差が拡大していることは知っていたが、新型コロナウイルスの影響が格差をより広げたことを改めて実感した。本来なら回避できたはずのワクチン接種の遅延と不足がある、という事実がとても印象に残った。周りを見ず自分ばかりがワクチンを受け、安全を確保しようとしていたことが深刻であり悔しく感じられた。
- 発展途上国のワクチン開発への援助をもっと行ったほうがいいし、そうすると自国優先ということが世界的に見て悪にはならなくなると思っている。自分の国の政府が自分の国ファーストで動くのはとても自然なことであり仕事だろう。
- 新型コロナウイルス流行時にワクチン接種を受けるか受けないかの選択権がある日本は、恵まれている国であることを改めて実感した。資金力のある先進国がワクチンを買い占めてしまったことで、途上国に渡らないというのは社会問題として解決しなければならない点だ。でも途上国にも資金力があればワクチンを買うことができたのかもしれないと思うと、資金力を作り出すのは現実的に難しいが、私も募金をするなどの形で支援したい。
- ワクチン入手は、国ごとの貧富の差によって決まる。自国民のことを第一に考えるのは当然のことだが、このままだと衛生環境の悪い、貧しい国の人たちの体調が悪化し、最終的に人口が減っていってしまう。それはフェアではないし、平等な世界と言えない。今回、無料でワクチンを提供する枠組みがあったことを初めて知った。ワクチンメーカーと協力し、高中所得国から資金を集める仕組みがとても良いと思った。とても意義あることで、このような話題を世の中にもっと広めていくべきだと感じた。